工法カタログ - page 2-3

土壌の理化学性,周辺植生による総合評価
現在,植生工の選定は土壌硬度,亀裂間隔,土質などの物理
性に主体がおかれています。しかし,斜面の物理性が同等で
あっても,化学性が著しく異なることで安定した植生回復が
図られない場合があります。そこで,タフグリーン工法研究
会では,事前調査において,
「土壌の理化学性,及び植生調
査」
を行うことにより,総合的に斜面を把握し,緑化目標の
選定をしています。
緑化目標・種子配合の設計
・pH(H
O)
・養分保持能力
・土壌養分濃度
など
化学性
物理性
・土壌硬度
・土質
・亀裂間隔
など
植生
・生育環境
・林内植生
・林縁植生
など
斜面の総合的把握
従来の植生工に期待される早期生育植物による表面侵
食防止効果を土壌侵食防止マットで代用しながら、森林土
壌に近い上質な基盤を導入することで、目標とする植物群
落への植生回復を安定して図る工法です。
タフグリーン工法の特徴
タフグリーン工法は,
森林土壌に近い植生基盤
を斜面に吹付けます。さらに侵食防止効果の高い
土壌侵食防
止マット
を植生基盤面に敷設する合併工法です。吹付時にはラス金網を用いず,
補強短繊維等
を植生基盤に混
合することで基盤の流出や流亡を防ぎます。
森林土壌に近い植生基盤
を使用しています
森林土壌は,有機物(落葉・落枝)が分解されてできる
腐植と粘土鉱物が結合したものです。
タフグリーン工法では,下記の資材を用いています。
a)腐植含有量の多い物質(腐植土) → 腐植の役割
b)浄水過程で生成されるリサイクル資材 → 粘土鉱物の役割
c)バーク系有機質基材 → 有機物の役割
これらにより,保水性・保肥性・緩衝能力の高い土壌を実現
しています。そのため,植生回復への妨げとなりやすい,
斜面
乾燥や肥料枯れを長期的に防止する
ことが可能です。
土壌侵食防止マット
を敷設する効果として
①植生が成立していない状況(
ex.
秋季及び冬季の植物
の発芽環境にない時期の施工,植生誘導や生育に時
間を要する郷土種を導入した場合)においても,激し
い降雨時の地表水や積雪に伴う
基盤の侵食を防止
します。
②マルチング効果により,植生基盤の保水力や保温効果が
期待できることから,
斜面乾燥や凍上から植物を保護す
ことが可能です。
③土壌侵食防止マットには
分解型と非分解型
があり,緑化
目標に応じて使い分けができます。
補強短繊維
を使用する効果として
基盤を面的・立体的に結合する
ことで,基盤の流出・
流亡を防止します。
②接合剤として
ECO
バインド(無機質ミネラル固化剤)
を併用する事で,施工時のリバウンド量を大幅に減少
させることが可能です。
<タフグリーン工法とは>
分解型マット 非分解型マット
森林土壌 模式図
補強短繊維
ECOバインド
有機物
粘土鉱物
腐植
土 壌
1 4-5,6-7,8
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