設計施工の手引き - page 6

2
1. 1. 2
適用範囲
本工法の適用範囲は,礫混じり土砂や岩盤斜面,養分の少ない土砂や盛土斜面への法面緑化工
法として一般の植生基材吹付工の適用範囲で実施できる。
また,近年,『自然回復緑化
2)
や生物多様性緑化
3)
』と呼ばれる緑化手法があるが,これらの工
法は,自生の種子や森林表土,周辺からの侵入を期待する等,表面被覆まで長期間かかり,この
期間に,基盤の表面侵食が発生する
4)
ことが大きな問題となっている。本工法は,高い耐侵食性
を有していることから,このような超遅速緑化(早期樹林化)にも有効な工法として活用されつ
つある。
タフグリーン工法の適用が特に適する条件は以下である。
① ゲリラ豪雨や凍結融解作用により,基盤の流出が発生しやすい場合。
(厳しい気象環境においても基盤の流出を抑制し,安定した緑化が可能。)
② 生育の遅い在来種(郷土種)を導入する緑化の場合。
(植物による斜面保護を発揮するまでの間,土壌侵食防止マットが効果を発揮する。)
③ 地山の地質・土質が悪く,乾燥害や生長が遅い場合。
(森林土壌に近い組成の植生基盤を造成しているため,保水性・保肥性に優れる。)
写真
1.1
基盤の流出状況 写真
1.2
基盤の乾燥状況
1,2,3,4,5 7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,...55
Powered by FlippingBook