設計施工の手引き - page 9

5
2
)保肥力
本工法の基盤材と植生基材吹付工の基盤材の保肥力を比較する試験を実施した。試験結果の詳
細は
6.2
保肥力確認試験に示す。
この試験から以下の結果が得られ,本工法で使用する植生基盤は保肥性に優れた基盤材である
ことが確認できる。
1.3
保肥力試験結果
工法名
タフグリーン工法
植生基材吹付工
基盤材名
TG
ソイル
2
バーク堆肥+ピートモス
測定値
110meq/100g
75meq/100g
評価
本工法で使用する植生基盤は,植生基材吹付工で使用されてい
る植生基盤より,約
1.5
倍の保肥力があることを示す。
3
)緩衝能力
緩衝能力とは,”加えた酸や塩基の作用を打ち消すような働き”であり,土壌環境を一定に保と
うする能力のことである。この能力が高いことは,すなわち過酷な気象や厳しい土壌環境(酸性
雨・強酸性や強アルカリ土壌等)においても,その影響を受けにくく,目的とする植生を成立さ
せる可能性が高まることを示している。
そこで本工法の基盤材と通常の植生基材吹付工の基盤材,砂(対照)で緩衝能力を比較する試
験を実施した。試験結果の詳細は
6.3
緩衝能力確認試験に示す。
試験結果から,本工法で使用される植生基盤は,他の資材と比べて,高い緩衝能力を有してい
ることが確認できる。
1.4
緩衝能力試験結果
工法名
タフグリーン工法
植生基材吹付工
基盤材名
TG
ソイル
2
バーク堆肥+ピートモス
pH
変動幅
1.78
4.18
9.47
評価
対照区である砂に比べたら,いずれの資材も高い緩衝能力があることが確認され
るが,本工法で使用する植生基盤の緩衝能力はより高く,植生基材吹付工で使用さ
れている植生基盤より,約
2.3
倍の緩衝能力がある。
1. 3. 2
補強短繊維
森林において,土砂流出を防止する役割を担っているもので重要な役割を果たしているは植物
の細根である。この細根が地表面等に複雑に絡み合うことで,土壌緊縛力を発揮し,土砂流出を
抑制している。
本工法では,上記の現象を再現するために,基盤に補強短繊維を混合することで,基盤を面的・
立体的に結合し,植生基盤の剥離・流亡の防止を期待している。
ここでは,本工法で使用する植生基盤(補強短繊維入り)と通常の植生基盤(接合材は使用)
の引張強度の比較を行った結果を示す。詳細は
6.4
補強短繊維効果確認試験に記載した。
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