設計施工の手引き - page 8

4
1. 3
解説
1. 3. 1
植生基盤
森林土壌は,有機物(落葉・落枝)とそれが分解されてできる腐植と粘土鉱物とが結合したも
のである。本工法では,下記の資材を用いて森林土壌に近い土壌構造を再現している。
腐植含有量の多い物質(腐植土)
腐植の役割
浄水過程で生成されるリサイクル資材
粘土鉱物の役割
バーク系有機質基材
有機物の役割
これらの資材を活用することで,保水性・保肥性・緩衝能力の高い土壌を実現している。その
ため,乾燥害や肥料枯れにより植生回復の妨げとなる原因を長期的に防止することが可能である。
1
)保水力
本工法の基盤材と,植生基材吹付工の基盤材の保水性を比較する試験を実施した。試験結果を
1.2
示す。なお実験の詳細は
6.1
保水性確認試験に記載した。この試験から以下の結果が得
られ,本工法で使用する植生基盤は保水性に優れた基盤材であることが確認できる。
1.2
保水力試験結果
工法名
タフグリーン工法
植生基材吹付工
備考
基盤材名
TG
ソイル
2
バーク堆肥+ピートモス
保水時間
382
時間
297
時間
植生基材吹付工の植生基盤
は水捌けが悪く,水持ちも悪い
のに対して,本工法の植生基盤
は,水捌けが良く,水持ちの良
い基盤であることが確認され
る。
有効保水時間
334
時間
161
時間
評価
本工法で使用する植生基盤は,植生基材吹付工で使用されている植生基盤より,有効
保水時間は約
2.0
倍の保水力がある。
1,2,3,4,5,6,7 9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,...55
Powered by FlippingBook