設計施工の手引き - page 27

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能性が高く将来的に酸性土壌となりえる。
分析方法は,
JHS602-1992(
旧日本道路公団規格
)
による。
4. 5. 3
一般的な強酸性土壌対策
強酸性土壌での対策には,主
4.5
3
種類の手法が実施されている。これらはいずれも有
効な強酸性土壌対策であるが,それぞれ一長一短が報告されている。自然界の酸性土壌では,有
機質土壌が厚く堆積することによる緩衝効果により,植生が成立しているが,法面緑化工では,
適用斜面が急傾斜となる場合が多く,厚い植生基盤を設けることは技術的にも経済的にも難しい。
そこで植生基盤の緩衝効果(緩衝法)に加えて,中和材による改良が実施される場合(中和法)
が多い。斜面ではメンテナンスが容易には行えないため,中和材には,即効性に加えて持続性が
求められる。
タフグリーン工法では緩衝法と中和法を標準に,条件によっては遮断法も併用し,強酸性土壌
に対して確実な方法を提供している。
4.5
強酸性対策
手法
長所
短所
タフグリーン工法の考え方
遮断法
モルタル等を斜
面に吹き付け,
酸性土層との遮
断を図る。
酸性土層と完全に遮断さ
れるので上部に施工され
た工法が酸性化すること
はほとんどない。
酸性対策としては最も確
実な手法である。
遮断層が難透水面となる
ため,雨水の侵入状況によ
っては,この面でのすべり
や崩壊等が発生する可能
性が示唆される。
酸性のにじみ出し水が多い
箇所には排水処理や遮断マ
ット等を併用する。
緩衝法
緩衝能力の高い
植生基盤等を吹
き付ける。
緩衝能力の高い植生基盤
を導入することで,毛管
現象で上昇してくる酸性
水を底面で緩衝できる。
緩衝層の厚さや使用する
植生基盤の緩衝能力によ
っては,その効果が低くな
る可能性が示唆される。
タフグリーン工法の専用基
盤材
TG
ソイルは,腐植土
が含まれており,緩衝能力
が高い。
中和法
アルカリ資材を
導入し,中和さ
せる。
酸性水と反応することで
中和される。
中和材にはそれぞれ特徴
があり,その特性を把握し
ておかないと効果が短期
的となる。
即効性,持続性の高い中和
資材(ネオインパクト)を
使用する。
4. 5. 4
中和材
タフグリーン工法で使用する中和材は,即効性,持続に優れた転炉スラグを活用した中和材資
材(ネオインパクト)を使用する
4.6
中和材の試験効果についてまとめた。なお,試験の
詳細は
6.6
中和材の確認試験に示す。
4.6
中和材として用いられる資材の比較
資材名
即効性
持続性
評価
消石灰
×
×
苦土石灰
有機石灰(貝殻等粉砕物)
ALC
(軽量発泡コンクリート)粉砕物
転炉スラグ(ネオインパクト)
1...,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26 28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,...55
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